タタミに座る、寝転ぶ…私個人は自由で大好きな空間ですが、最近では和室そのものが少なくなっているのが現状です。
しかし、まだまだお茶を趣味としている方、ゆとりの間として欲している方もいらっしゃいます。
それで、今回は茶室について少し話します。
京間といわれる本間が基本です。タタミ1帖の大きさは6尺3寸×3尺1寸5分で、タタミ目が縁内で64目と決まっています。現在では64目が難しいので63.5目で作り、炉の方に向けて敷き込みます。縁は黒無地です。
実はこのタタミ目の数の事で、知り合いの工務店が裁判沙汰になったことを聞きました。奥様と工務店のコーディネーターとの話し合いの元造作した茶室だそうですが、引き渡しの段階で目の数が違うとクレームを受け、引き渡しが流れ、最終金の支払金額を大幅に割引くことで決着したそうです。工務店側からの話ですが、施主と顔を合わせるのも嫌で早期決着のためにほとんどの云い分を飲んだとの事でした。家は引き渡し時が最高で経年劣化が少しづつ始まります。建築した会社に見ていっていただくことが一番なのに、お付き合いが途切れるのはどちらかといえば結果的に施主側にとって損だと思います。いい方法はなかったのでしょうか?
茶室は「言い伝えの決まり事」が多々あり、全てを満たすのは難しく、広さ・炉の切り方はもちろん、タタミ1枚1枚にも名称があります。
よって、計画時に「自分はこんな茶室がほしい」から「この決まり事を大切にして」「この順番で」というように決めていくのがいい方法でしょう。
設計者は資料を駆使して提案しますが、施主側も同じ流派の方に相談して、設計士や工務店に任せきりにせず、納得のいく計画をしてください。